「ため池保全構想」を掲げる愛知県に属し、自らも「勅使池、濁池、若王子池等は、豊明の自然のシンボルとして大切にしていきたいと思います。」と21世紀に入る際に「21世紀のとよあけ環境羅針盤」で宣言した豊明市には、たとえ太陽光発電施設の設置に環境アセスメントが不要だとしても、若王子池太陽光発電事業の発表の際に、最低以下の内容は含めて頂きたかったです。
- ため池の水を抜く前の「生物調査と水質調査結果」(1年以上分)の報告
- 工事完了後から廃業するまでの期間において、収益を利用して定期的な生物調査と水質調査を実施する旨の宣言
これらが含まれていたなら随分印象が違ったでしょうし、フロート式ソーラーパネルのため池への影響を把握できただけでなく、ため池を保全していく上での貴重な知見を得ることもできたでしょう。
愛知県はため池が多い所ですが、Daphnia pulexという種類のミジンコが生息しているため池は少なく、若王子池はその少ない池の中のひとつでした。D. pulex以外にも、カブトミジンコをはじめ様々な種類のミジンコが季節と共に移り変わりながら現れ、それらと植物プランクトンや鳥・魚などの生物が有機的に美しく繋がりながら生息していました。
ソーラーパネルが設置された後も、その繋がりがいつまでも続くことを願うばかりです。
参考資料:
・ 「浅い湖沼では光が減ると水質が悪化する~湖底の水草と水中の植物プランクトンの予想外な関係が判明~」 (2018/07/08 追記)