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翻訳者: Shigeru Gougi (gougi@wingnest.com) [ver.1.0,2000/12/29]


Enhydra Directorの使い方

 このドキュメントでは、Enhydra Directorをインストールして、構成(configure)するのに必要なステップを説明します。  Directorに関する最新の情報を手に入れるには、Enhydra Director Working Groupを参照してください。

■ システム要求

 Directorは、Windows NTやSolaris、Linuxで実行できます。さらに、オープンソースディストリビューションからEnhydraをビルドする場合には、Netscape/IPlanet Webサーバがサポートする殆どのUnixシステム上で、Directorモジュールをコンパイルし実行できます。

Note: Enhydra Directorは、TCP/IPネットワークがサポートされている事を要求します。 もし、サポートしていない状況であれば、少なくてもシステムのネットワークインターフェースの一つをTCP/IPで構成してください。

▼ Windows NT

▼ Solaris

▼ Linux

■ 準備

Enhydra Directorをインストールする前に、以下の事を検討しておきます:

■ IPlanetサーバーと共にDirectorを使う方法

■ インストール

 このモジュールのインストールは、Netscape Webサーバに対する他のNSAPI extensionと同様な一般的な手順で行うことが出来ますので、http://www.iplanet.com/にあるNetscapeオンラインドキュメントが役立つかもしれません。

▼ ファイル

NSAPI Extension: libedir.so (Unix versions) または EnhydraDirector.dll (Windows NT version)
 これらは、Enhydraへの要求を適切なEnhydraアプリケーションサーバに送る実際の仕事を行うNSAPI extendion DLLです。
 このDLLは、あなたが想定している全てのアプリケーションのURLプレフィックスに対する要求に応対するすべてのIPlanet Web サーバインスタンス上にインストールしなければいけません。
 例えば、もしあなたが Webサーバ 'www.myhost.com'を有効にするようにIPlanetをセットアップを行い、あなたのアプリケーションを'http://www.myhost.com/myApp'で特定できるようになることを望むならば、'www.myhost.com' Webサーバインスタンスの'obj.conf'構成ファイルの中で、EnhydraDirector.dll extensionを有効にしなければいけません。
 このモジュールの構成に関する詳細については、さらに以下を参照してください。
Enhydra Director 構成ファイル: enhydra_director.conf。
 このファイルはEnhydra Directorのための構成を含んでいます。'obj.conf'で行う必要がある設定の1つはこのファイルの位置の指定です。

▼ UNIXシステムの為の手順

 この説明では、EnhydraDirectorファイルが‘/usr/netscape/EnhydraDirector'にインストールされる事を仮定しています。EnhydraDirectorファイルを他の場所にインストールしたい時には、以下のステップの中で記述されている全ての‘/usr/netscape/EnhydraDirector'をあなたが実際にインストールするディレクトリと置き換えて読んでください。
  1. NSAPI Enhydra Directorの'tar.gz'形式のソースコードアーカイブをダウンロードし、拡張シェアードオブジェクト(extension shared object) '.so'ファイルをビルドする。

    ビルドする時に GNU 'automake'環境が必要です。'automake'環境が整っていれば、'configure'スクリプトを実行させる事によりビルドを始める事ができます。
    コマンドラインで'configure --help'とタイプ入力する事により、'configure'スクリプトがサポートしているオプションのリストを得ることができます。
    もしNetscapeサーバーを非標準のディレクトリにインストールしている場合は、'--with-netscape-plugin-dir'オプションを使ってあなたのサーバ固有の'plugins'ディレクトリの在る場所を指定する必要があります。
    また、'--enable-debugging'オプションは、可能な限り冗長なデバッグ情報の出力を行うマクロをビルドに追加するために使用します。
    ビルドを終えると、以下のファイルが手に入るはずです:
     ./.libs/libedir.so
     ./enhydra_director.conf.default
     ./obj.conf.example

  2. Enhydra Directorファイルのインストール

    推奨ディレクトリである'/opt/netscape/EnhydraDirector'を選択しているという仮定では、以下の様にビルドしたファイルをインストールします :
     /opt/netscape/EnhydraDirector/libedir.so
     /opt/netscape/EnhydraDirector/enhydra_director.conf.default

    'obj.conf.example'ファイルは、必要な追加がコメントで強調された'obj.conf'の一つの用例です。
    自分用の既存の‘obj.conf'ファイルを編集し同様な(しかし、まったく同じではない)エントリーを同じ場所に置かないといけません。
    この事についてその他の詳細な内容は、このドキュメントで後述します。

▼ Windows NTの為の手順

 この説明では、EnhydraDirectorファイルを‘C: \Netscape\EnhydraDirector'にインストールすると仮定しています。
 もし、ファイルを他の場所にインストールすることを考えている場合には、以下の全てのステップの中の'C:\Netscape\EnhydraDirector' を実際のインストールディレクトリに置き換えて読んでください。
  1. Enhydra Directorファイルを入手しビルドを行うか、コンパイル済みのバイナリ−をダウンロードする。
    NSAPI Enhydra Director 'zip'ソースコードアーカイブをダウンロードして拡張シェアードオブジェクト(extension shared object) '.so'ファイルをビルドしてください。
    もし、Microsoft Visual C++6.0またはそれ以降を持っていない場合は、EnhydraディストリビューションまたはEnhydra.orgWebサイトからコンパイル済みのNSAPI拡張DLLを入手してください。
    NSAPIモジュールのWindows NT版をビルドするには、Visual Studioを起動し、Enhydra Director NSAPIワークスペースを開いてください: <EnhydraSrc>/modules/EnhydraDirector/src/nsapi/EnhydraDirector.dsw

  2. 'EnhydraDirector'をアクティブプロジェクトに設定し、 あなたの必要にあわせて‘デバッグ'か‘リリース'にアクティブな構成する。
    デフォルトでない位置にNetscapeサーバをインストールした場合には、ビルド設定(Cプロセッサー)で Netscapeヘッダーファイルを参照するように正しい'include'ディレクトリに編集する必要があります。

  3. ここまで終えたら、'全てビルド'を行いDLLを再構築する。
    ワークスペースと同じディレクトリに'enhydra_director.conf.default' と 'obj.conf.example'のコピーがあります。
    新しくビルドされたDLLは、通常のVisual Studioの慣習通りに、ワークスペースのサブディレクトリである'Debug'または'Release'のなかで見つけることができます。

  4. Enhydra Directorファイルをインストールする。
    最終的にDLLとファイルをどのように入手したかには関係なく、次の場所にインストールします。:
    C:\EnhydraDirector\EnhydraDirector.dll
    C:\EnhydraDirector\enhydra_director.conf.default

■ IPlanetの為のDirectorの構成

  1. Netscape Webサーバを停止する - デフォルトのインストールであれば次の場所にある'stop'スクリプトを実行します:
    Solaris,Linux : '/usr/netscape/server4/<instance>'
    Windows NT : 'C:\Netscape\Server4\<instance>'
  2. NSAPI拡張をインストールする: (マルチWebサイトの場合は全てのサイトに対して行う必要があります)
  3. 'obj.conf' の'<Init...>'セクションの位置する行へ移動し編集する:
    このセクションは、ファイルの先頭付近にあるはずです。
  4. '<Objectname= default>'セクションの中へ、次の行を追加する:
    NameTrans fn= edir_nsapi_name_trans
    上記の行は、以下の行の直前になければいけません。
    NameTrans fn= document-root root= ....
  5. 最後に、<Objectname= default>の終わりを示す</Object>の後ろに次のセクションを追加する:
    <Object name= enhydra_director> Service fn="edir_nsapi_handler" method=(GET|HEAD|POST) </Object>
    'obj.conf.example' ファイルは、架空サイトでの'obj.conf'の例になっていますので参考にしてください。
  6. 構成(configuration)ファイルを生成する:
    NSAPIの為のEnhydra Director構成ファイルは上記した'Init'行の中の"conffile="によって示されているファイルになります。
    マシン上で1構成されたWebサーバインスタンスあたり1つのインスタンスとして、Enhydra Directorのマルチインスタンス(multiple instance)を構成できます 。各々のEnhydra Directorインスタンスは一つの異なる構成ファイルが割り当てられていることが必要です。
    構成ファイルの中で許されているすべてのディレクティブと文法に関する十分な説明は、このドキュメントの範囲外です。けれども'enhydra_director.conf.default'ファイルは、簡単にあなたのサイトのセットアップに合わせてコピーすることが出来るいくつかの有用な例を含んでいます。
    また、デフォルトファイルの中のコメントには利用可能な大部分のオプションの説明があります。
    注意すべき重要なことは、構成ファイルはXML DTD(EnhydraDirectorConfig.dtd)に基づいて、厳密に正当なものにされることです。これは、構成ファイルが正当なXMLである事と、DTDの中で定義された形式を理解しなければならないことを意味します。ケース(*)はすべてのセクションと属性名で重要で、並びは異なったセクションの中で重要です。(訳注:「ケース」は、綴りの大文字小文字)
  7. Netscapeサーバを開始する:
    '/usr/netscape/server4/<instance>' または'C:\Netscape\Server4\<instance>'の中の'start'スクリプトを実行する。
  8. 正常に開始されたかを確認する:
    ネットスケープサーバが正常に開始し、実行しているのを確認してください。
    Enhydra DLLディレクターをロードしている間にエラーが発生していないかどうかネットスケープサーバエラー・ログをチェックしてください。 また、Enhydra Directorのエラーがないかどうかもチェックしてください。
  9. 接続性について確認する:

■ トラブルシューティング

▼ 問題: Netscapeサーバをスタートした時、NSAPI extension がロードに失敗します。 ▼ 問題: Enhydra Directorのスタートは成功しますが、私のアプリケーションへの接続ができません。 ▼ 問題:Netscapeサーバはクラッシュしたり、ハングしたり、不意に死にます。

■ Microsoft Internet Information Serverと共にDirectorを使う方法

■ インストール

 EnhydraFilter.dll と EnhydraHandler.dll、 enhydra_director.confの3つのファイルが重要です。
 これらは、以下のように記述されます。

▼ ISAPI Filter: EnhydraFilter.dll

 これは、EnhydraアプリケーションURLを Enhydra Director ISAPI Handlerアプリケーションへの別ルートに変更するために必要なISAPIヘッダーのプリプロセス処理をするフィルタです。
 グローバルISAPIフィルタ、あるいは特定のWeb Serverインスタンス上のローカルのフィルタとして構成(configure)されるかもしれません。
 もしローカルのWeb Serverインスタンスとして構成されれば、それは構成されたWeb ServerのためのEnhydra URLを単にルーティングする事になるでしょう。
 フィルタがグローバル(globally)に適用される場合、それはシステム上のすべてのIIS Web ServerにあるEnhydra URLを新しい経路でルーティングする事になるでしょう。
 フィルタの構成方法の詳細に関しては、下記を参考にしてください。

▼ ISAPI Handler Extension: EnhydraHandler.dll

 これは、正確なEnhydraアプリケーションサーバーへEnhydraリクエストを転送する実際の仕事を行うISAPI extension DLLです。アプリケーションのURLプレフィックスに対応し実際の処理をするIIS Web Serverインスタンス個々にインストールしなければいけません。
 例えば、Web server 'www.myhost.com' を使用可能にするためにIISを構成し、アプリケーションを'http://www.myhost.com/myApp'に配置する場合は、www.myhost.com Web Serverインスタンス上のEnhydraHandler.dll extensionを有効にしなければなりません。
 Handlerの構成についての詳細は、下記を参照してください。

▼ Enhydra Director 構成ファイル: enhydra_director.conf

 このファイルは、Enhydra Directorの構成をするためのものです。
 グローバルフィルタとしてEnhydraFilter.dllを構成したならば、すべてのIIS Web Serverインスタンスのための構成をコントロールするシステム上の唯一のファイルとなります。
 フィルタが特定のサーバーのために構成されたなら、このファイルの異なるインスタンスは、各サーバーそれぞれのために存在するでしょう。構成ファイルはEnhydraFilter.dllと同じディレクトリーに位置するようにしなければなりません。

■ 手順

 以下の手順は、あなたが'C:¥EnhydraDirector'へEnhydraDirectorファイルをインストールすると仮定しています。
 他の位置にファイルをインストールする場合は、以下の手順の中のすべての'C:¥EnhydraDirector'を実際に配置する位置に置き換えてください。
  1. Enhydra Director ファイルを入手してください。ISAPI Enhydra Director ZIP ファイルをダウンロードするか、あるいはソース・コードからDLLを構築してください。
  2. Enhydra Directorファイルをインストールしてください。ZIPファイルをダウンロードしたならば、ディレクトリー'C:¥EnhydraDirector'へその内容を展開してください。ソース・コードからファイルをビルドする場合は、に必要なファイルをコピーしてください。ソースからビルドした後は、'C:¥EnhydraDirector'に次のファイルをコピーしてください: '.../isapi/EnhydraFilter/<Config>/EnhydraFilter.dll'
    '.../isapi/EnhydraHandler/<Config>/EnhydraHandler.dll'
    '.../isapi/enhydra_director.conf.default'
    '<Config>'トークンは、ソースから構築するときに、その構成目的により'Debug'あるいは'Release'と置き換えて使用します。
 展開またはファイルのコピーを終えたとき、ディレクトリー'C:¥EnhydraDirector'には、次のファイルがあるはずです:
  1. EnhydraFilter.dll EnhydraHandler.dll
  2. enhydra_director.conf.default

    ■ IISの為のDirectorの構成

    ▼ ステップ 1:IISを停止する

     [スタートメニュー]->[設定]->[コントロールパネル]の操作手順でコントロールパネルをまず開き、その中にある'サービス'ダイアログをダブルクリックして開きます。
    そして、 これで、IISは停止します。

    ▼ ステップ 2: フィルタをインストールする (global)

     フィルタをグローバルにインストールする場合は、この手続きに従ってください。特定のサーバーに対してのみインストールする場合は、次のセクションを参照してください。

    ▼ ステップ 2: フィルタのインストール (固有のサーバのための設定:for a specific server)

    ▼ ステップ 3: ハンドラーのインストール

    複数のIIS Webサイトで必要に合わせ繰り返してください。

    ▼ ステップ 4: 構成ファイルを生成する

    'C:\EnhydraDirector\enhydra_director.conf'ファイルを生成してください。最も簡単な方法は、'enhydra_director.conf.default'ファイルを'enhydra_director.conf'にコピーする事です。構成ファイルにおいて利用可能な命令(directive)のシンタックス及びすべての詳細な説明は、このドキュメントの範囲外です。しかしながら、デフォルト・ファイルは、あなたのサイト・セット・アップに適合させるために容易にコピーすることができる、いくつかの有用な例を含んでいます。さらに、デフォルト・ファイル内のコメントは、ほとんどの利用可能なオプションについて説明されています。注意すべき重要事項としては、構成ファイルがXML DTD(EnhydraDirectorConfig.dtd)に基づき、厳密に検証(validated)されるということです。そのファイルは妥当なXML文書としてDTDに定義されたフォーマットに従う必要がある事を意味します。すべてのセクションとプロパティ名のケース(文字の大文字小文字)は重要であり、様々なセクション中の並びも重要です。

    ▼ ステップ 5: IISを起動する

    コントロールパネルから'サービス'ダイアログを開いてください。 ([スタート]->[設定]->[コントロールパネル], 'サービス'をダブルクリック)
    'World Wide Web Publishing Service'を探し、それを選択してください。そして、'World Wide Web Publishing Service'を起動するために、[開始]ボタンを押してください。これで、IISは、起動されたはずです。

    ▼ ステップ 6: 正しく起動したか検証する

    'イベントビューア'を[スタート]->[プログラム]->[管理ツール(共通)]->[イベントビューア]から起動します。起動したら、EnhydraFilterイベントの'アプリケーションログ'をチェックしてください。構成ファイルの処理に成功したことを示すフィルタからのイベントが、そこに含まれているかを確認します。

    ▼ ステップ 7: 接続性の検証をする

    ■ トラブルシューティング

    ▼ 問題: IISを起動すると EnhydraFilter.dllのロードに失敗します


    ▼ 問題: フィルターの起動はOKだけど、アプリケーションに接続できません

    ▼ 問題: イベント・ログ(Event Log)メッセージは新しいラインを含んでいません
    これは、Windows NTの問題です。あなたがイベント・ロガー(event logger)に登録を行うアプリケーションを最初にインストールした直後、その現象が起きます。 Windows NTを再起動すれば、この問題は回避できます。

    ▼ 問題: MSVCRTD.DLL not found
    'Debug'コンパイルバージョンのフィルターまたはハンドラーの実行をしようとしていますが、Debugランタイムライブラリがインストールされていません。これらのライブライリは、Microsoft Visual C++に付属しています。

    ▼ 問題: IIS が "Unhandled Exception"でクラッシュ、または、ハンドラーが死んだことを Web Application Managerがレポートします。

    ■ Apache Serverと共にDirectorを使う方法

    ■ ファイル

     このセクションでは、Apacheと共に使用するファイルについて記述します。

    ▼ Apache拡張モジュール

     Apache拡張モジュールは、mod_enhydra_director.soです。
     このファイルは、Apache libexecの中に存在し、httpd.confファイルの中の AddModule と LoadModule 命令(directive) によってロードされます。このモジュールは、アプリケーション要求(request)をEnhydra Serverへ転送し、サーバー要求をクライアントに転送する仕事を行います。

    ▼ Enhydra Director 構成ファイル

     このファイル(enhydra_director.conf)は、Enhydra Directorの構成(configuration)を含んでいます。
     Enhydra Director構成ファイルで記述されている初期値では、Apache拡張モジュールは、httpd.confファイルと同じディレクトリーに存在していることを想定した記述が行われています。

    ▼ Enhydra Director デーモン

     このプログラム(edir_daemon)はバックグラウンドで実行し、ロード・バランシングを調整するためにモジュールの子インスタンスから使用されるシェアード・メモリー領域の状態をモニターします。
     同時に起こる要求(request)のマルチスレッディングを可能にするために多くの個別のプロセスを使用する為、このデーモンがApacheに必要です。
     Apacheが起動(launch)する時、デーモンは自動的に開始され、Apacheが停止する時、自動的にシェアード・メモリーをクリーンナップし終了します。

    ▼ Enhydra Director ステータス ユーティリティ

     このユーティリティ(edir_status)は、シェアード・メモリー領域をEnhydra Directorモジュールを使って直接参照(read)し、構成された各アプリケーションおよびEnhydra Serverの現在の状態を報告します。

    ▼ Enhydra Director スコアボード

     スコアボード(enhydra_director.ipc)は、Enhydra Director要求(request)を扱っている時に、全てのApache 子プロセスから使用されるシェアード・メモリー・データを持っています。
     通常は、このスコアボードの内容は、シェアード・メモリー領域に基づくmmap()としてメモリ中で維持され、さらにロック機構に基づいたfcntl()を使用して、スコアボード・ロック・ファイルとしてサービスします。スコアボードの通常インストールされるホームは、Apachelogsのサブディレクトリであるedirです。スコアボードは、Apache子ユーザidに通常アクセス可能なだけです。

    ▼ Apache エラー・ログ

     Apacheサーバーのための標準エラー・ログは一般的にerror_logと呼ばれます。
     Enhydra Directorハンドラーは、リクエストを扱う間に遭遇したエラーをすべてこのファイルへの記録します。いくらかのスタートアップメッセージも、このファイルに記録されますが、Enhydra Director デーモン(Enhydra Director Daemon)は、システム・ログに対して大部分のスタートアップエラーを記録します。

    ▼ システム・ログ

     システム・ログは一般的に/var/log/messages または /var/adm/messagesの中にあります。
     デーモンが初期化している間にエラーに遭遇する場合、Apacheエラー・ログにアクセスは行わず、ログ書き込み用のデーモン('daemon' logging channel)を使用しシステム・ログにエラーを記録します。

    ■ 手順

     以下の手順では、ApacheがインストールされているディレクトリーへEnhydra Directorファイルをインストールするだろうと仮定して記述しています。
     ビルドするためには、最初にApache1.3.9あるいはそれ以降を入手し、ビルドをしてインストールしなければなりません。DSOサポート(mod_dso)が有効になるように、Apacheを構成しなければなりません。
     ビルド・スクリプトは、自動的にEnhydra Directorコンポーネントのインストール先を決定する正確なインストール・ディレクトリーを得るために、Apacheの'apxs' ユーティリィティを使用します。したがって、このユーティリィティがどこにインストールされるかを確認しておく必要があります。最後に、'apxs'はperlスクリプトなので、Perl5がインストールされることを確認しておく必要があります。

    ▼ ステップ1: Enhydra Directorソースコードの入手

     Enhydra Directorソースコードは、Enhydra Public License (EPL) の下で利用する事ができ、完全なEnhydraソース・コードディストリビューションの中に含まれています。Enhydra Directorのソースコードだけを含んでいるより小さなソース・ディストリビューションは、Enhydra 3.0のプリ・ビルト・ディストリビューションに含まれています。
     上記のソースのどちらかからEnhydra Directorソースコードを入手し、作業ディレクトリーへ展開してください。

     Enhydraの完全なソースツリー使用する場合は、カレント・ディレクトリへ'enhydra-src3.0.tar.gz'を展開します。 Enhydra Directorソースは、Enhydra/modules/EnhydraDirector/src/ の中に展開されます。

     Enhydraのプリ・ビルと・ディストリビューションを使用する場合は、'enhydra3.0.tar.gz' あるいは 'enhydra3.0.zip' を展開します。Enhydra Directorソース・アーカイブは、enhydra3.0/director/enhydra-director1.0.tar.gzあるいはenhydra3.0/director/enhydra-director1.0.zipです。
     enhydra3.0/directorにディレクトリーを変更して、カレント・ディレクトリへ上記のアーカイブのうちの1つを展開してください。

     展開したソースコードは、Enhydraディストリビューションを展開した./enhydra3.0/director/enhydra-director1.0 の中の、./enhydra-director1.0の中にあるでしょう。

     この時点で、展開したEnhydra Directorソース・コード・ディレクトリー・ルートへディレクトリーを変更してください。ルートディレクトリーは、'common'や'apache'、'nsapi'などのサブディレクトリを含んでいる'src'という名前のディレクトリーです。このディレクトリーを以後'$SRCROOT'と記述します。

    ▼ ステップ 2: Enhydra Director Apacheモジュールのビルド

     もしあなたがSolarisあるいはLinuxのいずれかで既定の位置にApacheをインストールしていれば、このステップは容易に行えます。 './configure'スクリプトを引き数を指定せずに単に実行してください:
    cd $SRCROOT/apache
    ./configure
    make
    make install

     この手順により、Enhydra Director Apacheモジュールを構築し、Apacheディストリビューションの'libexec'ディレクトリーへ'mod_enhydra_director.so'ファイルのインストールが行われます。

     'configure'のオプション: --with-apxs=/full/path/to/program/apxs
     このオプションは、既定のconfigureスクリプトがApacheの'apxs'スクリプトを見つける事が出来ない場合に、そのスクリプトの位置を指定可能にします。

     'configure'のオプション: --enable-debugging
     ビルド時にデバッグメッセージが出力されます。
     このオプションは、モジュールのセットアップに関する問題に遭遇した時に、'httpd.conf'の中の'EnhydraDirectorDebug'オプション、または、'enhydra_director.conf'の中の<Options debug="0xNNNNNN"/>を有効にし、 デバッグが出来る様にします。

     'make install'を実行後、Apacheのインストールディレクトリの中の'libexec'ディレクトリーに'mod_enhydra_director.so'を確認することができるはずです。さらに'conf'ディレクトリーに'enhydra_director.conf.default'ファイルも確認できるはずです。

    Note: 困難な事態をもたらす事を好む場合:
      'edir_daemon'や'edir_status'、'enhydra_director.conf'ファイルは、好きな場所にインストールしてかまいません。 'mod_enhydra_director.so'ファイルは、Apacheをインストールしたディレクトリの'libexec'ディレクトリーの中にインストールしてください。'libexec'ディレクトリーは、インストレーションによっては'libexec'と名前付けされていないかもしれませんので注意してください。'./configure' と 'make install'は、'apxs'スクリプトの場所を指定する必要がある時に限り、--with-apxsオプションを使うだけなので、とても簡単です。

     Enhydra Director構成ファイルや各種データ・ファイルの位置を指定する場合、以下の'httpd.conf'オプションを使用してください。

    ■ Enhydra Directorの構成

    ▼ ステップ 1

     'httpd.conf'がApacheをインストールしたディレクトリのどの位置にあるかを確認してください。通常このファイルは、'/usr/local/apache/conf/httpd.conf'になります。
     しかしながら、Apacheは非常に柔軟なインストールをすることができますので、異なっているかもしれません。ビルド・スクリプトは、自動的にコンパイルされたモジュールおよびプログラムを'apxs'を使って推奨位置へインストールします。

    ▼ ステップ 2

     ApacheがDSOモジュールをどこへ格納するか決めてください。これは通常、Apacheをインストールしたルートの下の'libexec'です。例えば、多くのApacheインストール設定では、DSPモジュール・ディレクトリは、'/usr/local/apache/libexec'です。
     'libexec'の位置のノートをとっておいてください。これは、'sbin'または'modules'のような他の何かであるかもしれません。'httpd.conf'の中の'LoadModule'行を構成する時にこれを必要とするでしょう。

    ▼ ステップ 3

    Enhydra DirectorモジュールをApache構成(Apache configuration)に追加してください。

    ▼ ステップ 4

     Enhydra Director構成ファイルを生成してください。ApacheのためのEnhydra Director構成ファイルは、通常'httpd.conf'と同じディレクトリーに位置します。けれども、異なるファイルを指定するためにhttpd.confにおいて'EnhydraDirectorConfigFile'命令(directive)を指定することもできます。

     構成ファイルの中で許されているすべてのディレクティブと文法に関する十分な説明は、このドキュメントの範囲外です。けれども'enhydra_director.conf.default'ファイルは、簡単にあなたのサイトのセットアップに合わせてコピーすることが出来るいくつかの有用な例を含んでいます。
    また、デフォルトファイルの中のコメントには利用可能な大部分のオプションの説明があります。

     注意すべき重要なことは、構成ファイルはXML DTD(EnhydraDirectorConfig.dtd)に基づいて、厳密に正当なものにされることです。これは、構成ファイルが正当なXMLである事と、DTDの中で定義された形式を理解しなければならないことを意味します。ケース(*)はすべてのセクションと属性名で重要で、並びは異なったセクションの中で重要です。(訳注:「ケース」は、綴りの大文字小文字)

    ▼ Step 5: Apacheサーバーを再起動する

     'apachectl'スクリプト、または、あなたが作成したスクリプトを使って、Apacheサーバを再起動してください。簡単な方法は'apachectl restart'です。

    ▼ ステップ 6: 正常に開始されたかを確認する

    1. 'ps -aef'または'ps -ax'(システムに依存します)を使って、'edir_daemon'が実行しているか確認してください。
    2. Apache logsディレクトリーの中に、'enhydra_director.ipc'ファイルを持った'edir'と呼ばれるサブディレクトリがある必要があります。このファイルは、ロック・アンド・スコアボードファイル(the lock and scoreboard file)です。
    3. 'httpd'があるApache'bin'ディレクトリー中で、'edir_status'を実行してください。 これにより、'enhydra_director.conf'の中の構成をダンプします。 もし、これに成功すれば、Enhydra Directorは実行しています。
    4. エラーが'edir_daemon'プロセス内で発生している場合、エラーは'syslog()'を使用して、システム・ログに記録されます。'daemon'チャネルが使われます。通常、メッセージは、Linuxの上の'messages'ファイル(それはSolaris上では'/ var/adm/messages'である)および「/var/log/messages」に書き込まれます。
    5. 初期化エラーがモジュール内で発生している場合、エラーはApacheエラー・ログの中にレポートされます。

    ▼ ステップ 7: 接続性について確認する

    1. Start up a web browser.
    2. Webブラウザを起動してください。
    3. 構成時に<Status>セクションの構成を行った場合は、ハンドラーが機能している事を確実なものとする為にそのURLプレフィックスに接続してみてください。 <Status> セクションに関するより詳細な情報は、デフォルトの構成ファイルを参照してください。
    4. 構成したアプリケーションプリフィックスの一つに接続してください。
    5. もし深刻なエラーが発生していれば、Apacheエラーログに記録されています。

    ■ トラブルシューティング

    ▼ 問題: Apacheを起動すると Apacheエクステンジョン(apache extension)のロードに失敗します


    ▼ 問題: Enhydra Directorの起動はOKだけど、アプリケーションに接続できません


    ▼ 問題: Apache 子プロセスがコア(core)を吐きます (crash)

    ■ アプリケーションの構成

     下記手順は、アプリケーションのコネクションを加えるために、Multiserver Administration コンソールを使用していると仮定しています。
    1. あなたのアプリケーションのEnhydra Directorコネクション(Enhydra Director connections)を作成してください。 -(コネクションを作成する)Enhydra ServerインスタンスのMultiServer Administrationを表示してください。
    2. アプリケーション・リスト(application list)の中の(対象とする)あなたのアプリケーションを選択してください。
    3. あなたのアプリケーション・インスタンスのコネクションを管理するため、'Connections'タブをクリックしてください。
    4. 'Connections'タブの中で、'Create'をクリックしてください。'new connection'ダイアログ・ボックスが現れます。
    5. そのダイアログ・ボックスの中で、コネクション・タイプ(connection type)として'EnhydraDirector'をチェックしてください。
    6. Fill in the URL prefix and port. URLプレフィックスとポートを埋めてください。 さらに、session affinity が可能でない場合、session affinity boxを'true'から'false'に変更してください。
    7. 新しいコネクションをアクセプトするために、[OK]ボタンをクリックしてください。
      main MultiServer adminページで、MultiServer構成ファイルへ変更を保存するために'Save State'フロッピーディスク・アイコンをクリックしてください。構成ファイルの更新をアクセプトするために、[OK]ボタンをクリックしてください。